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原油高騰はOPECの影響?間接税のせい?ガソリンが高い理由を解説(※2021年作成)

最近はガソリン価格が高くなってきています。ガソリンの元となる原油は輸入に頼っている状態で、その仕入れ額が高くなっているためガソリンが高くなっています。

今回はなぜ原油が高くなっているのか、中学社会(公民)の知識を絡めながら解説をしていきます。

また、ガソリンには消費税以外の税金がかかっています。この記事では、税金の種類についても簡単に解説をしていますので、ぜひ参考にしてください。

 

原油が高くなったのは産油国原油の増産を断ったから


少し前まではコロナウイルスの影響で世界の経済がストップしていましたが、最近はワクチンの接種が進んだため、経済活動がふたたび活発化してきました。

それに伴い、原油を必要とする国が増えつつあります。しかし原油の生産がそれに追いついていません。

また2021年8月に石油施設があるアメリカ南部にハリケーンが上陸し、今でも操業を休止しています。

 

米南部に大型ハリケーン上陸 石油施設が操業停止: 日本経済新聞

 

また石油輸出国機構OPEC)や、OPECに加入せずに原油を輸出しているロシアは、「景気が不透明」であることを理由に原油の増産を断りました。

  • 世界的に石油の需要が増えている
  • アメリカ南部の石油施設が操業停止している
  • OPECやロシアが原油増産を断っている


原油が高くなっているのは、これらの複数の要素が原因です。

 

石油輸出国機構OPEC)とは

石油輸出国機構、Organization of the Petroleum Exporting Countries、略してOPEC(オペック)は、その名称のとおり石油を輸出する国が結成している組織で、1960年に設立されました。

もともとは石油輸出国の利益を守るために作られた組織です。設立当初はイラン、イラクサウジアラビアベネズエラクウェートの5か国が加盟していましたが、現在は13か国が加盟しています。

OPEC加入国の石油埋蔵量は世界の3分の2、原油生産量は42%を占めているため、OPECの動きは原油価格を決める上での大切な指標になっています。

 

ちなみにガソリンには「ガソリン税」もかかっている

ガソリンには消費税だけでなく、間接税の一つである「ガソリン税」がかかっていることも理解しておきましょう。

現在ガソリン1リットルあたり53.8円の税金が課されており、それにさらに消費税がかかっています。ガソリンスタンドに書かれている「162円」というような1リットルあたりの価格表示はすでにガソリン税が加算されているものです。

 

「間接税」と「直接税」の違いは?


間接税とは、本来納税するべき相手(国や市町村など)ではなく、店舗などを通して間接的に支払っている税金のこと。ガソリン税、たばこ税、消費税などがこれにあたります。

私たちは買い物をするときに消費税を払います。消費税を受け取った店舗は、私たちの代わりにそれを国へ納めています。ちなみに直接税は、私たちが国や自治体に直接支払うものを指します。


ガソリン高騰はまだしばらく続く可能性が


11月4日、OPECやロシアなどの主な産油国はオンライン会合を開き、来月度(=12月)の追加の増産を見送ることを決定しました。アメリカや日本等は原油産出国に対し原油の増産を働きかけていますが、まだ先行きは不透明。

これから日本では冬を迎え、ガソリンだけでなく灯油、ガスの需要も高まるため、ガソリンの高騰はしばらく続きそうです。

 

今回のまとめ

  • 石油高騰の理由は石油輸出国機構OPEC)が追加の増産を見送ったため
  • 原油の追加増産はされないことが決定しており、しばらくはガソリン高騰が続く見込み